共有者の一人が高齢になり、「もし現地に行けなくなったら、この傾斜地の実家はどうなるんだろう」と不安を感じ始めた方もいるのではないでしょうか。傾斜地・崖地の実家は、擁壁や造成の確認に現地での対応が欠かせないため、遠方居住と高齢化という二つの要素が重なると、対応がより難しくなります。
今回は、相続人の高齢化を意識し始めた今、遠方から傾斜地・崖地の実家をどう見極め、どう判断していくかを、データを交えてお伝えします。
今すぐすべてを解決する必要はありません。まずは、関係者全員が今どのような状況にあるのかを確認するところから始めても十分です。
高齢化と遠方、二つの制約が重なるとき
「今でさえ現地確認が大変なのに、この先はもっと難しくなりそう」
傾斜地・崖地の実家は、擁壁の劣化や土砂災害のリスクなど、現地でしか確認できない要素が多くあります。ただでさえ遠方からの確認が大変なところに、相続人の高齢化が重なると、「今後誰がどうやって現地を確認するのか」という新たな課題が浮かび上がります。
この二重の制約に不安を感じるのは自然なことです。まずは、今対応できる人が誰で、どこまで対応できるのかを、関係者間で確認しておくことが大切です。
誰か一人がすべてを背負う必要はありません。「現地確認はこの人が担当する」「費用面の判断はこの人が担当する」というように、役割を分担して考えることで、一人ひとりの負担を軽くすることができます。
他の人はどうしているか
「同じように高齢化と遠方の両方に直面している人が、他にもいるんだと分かった」
国土交通省の調査で、所有者の住まいから空き家までの距離をたずねた結果です。
| 所有者の住まいから空き家までの距離 | 割合 |
|---|---|
| 車・電車で1時間超 | 約23% |
| 車・電車で3時間超 | 約10% |
※出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査」結果のポイント
移動に1時間以上かかる所有者は4戸に1戸近くにのぼり、遠方からの管理は珍しいことではありません。これに相続人の高齢化が重なる状況も、決して特別なケースではないと考えられます。
似たケースとして、遠方から条件の難しい実家を手放したケースをまとめた事例(【築50年・遠方管理】堺市の空き家を売るには?売却相場・補助金・手放し方を解説)も、判断の参考になります。
こうした事例では、専門業者に現地調査を依頼し、その報告書をもとに遠方の相続人同士でオンライン相談を行っていたことが目立ちます。現地に行けなくても、専門家の目を借りることで、判断材料を揃えられているようです。
傾斜地・崖地を、二つの制約の中で放置するリスク
「誰も確認できないまま、状態が悪化していたらと思うと怖い」
擁壁や造成の劣化は、放置期間が長くなるほど進行し、土砂災害のリスクも高まります。遠方かつ高齢化という二重の制約があると、こうした変化に誰も気づけないまま時間が過ぎてしまう可能性があります。
「誰かが確認するだろう」という曖昧な状態が、最も危険です。対応できる人と方法を、関係者全員が元気なうちに具体的に決めておく必要があります。
高齢化を意識した今、遠方から動くメリット・デメリット
「専門家の力を借りれば、遠方からでも対応できるかもしれない」
高齢化を意識した今、遠方から動くメリット
- 専門業者の現地調査で、関係者全員が状況を共有できる
- 関係者が意思表示できるうちに、方針を決めやすい
- オンライン相談を活用すれば、遠方の関係者同士でも話し合いやすい
- 早めに動けば、成年後見制度が必要になる前に判断できる
高齢化を意識した今、遠方から動くデメリット
- 専門業者への調査依頼に、費用がかかる
- 擁壁・造成の状態によっては、対応に大きな費用が必要になる場合がある
- 関係者間の温度差で、話し合いがすぐにまとまらないことがある
- 高齢化を理由に切り出すこと自体、デリケートに感じられる
今後の選択肢
「現地に行けなくても、進められる方法を知りたい」
遠方に住みながらでも、傾斜地・崖地の実家について選べる道はいくつかあります。
- 専門業者に、擁壁・造成の状態調査を依頼する
- 調査結果をもとに、関係者間でオンライン相談を行う
- 条件の難しい物件を専門に扱う不動産会社に相談する
- 成年後見制度・家族信託の基本的な仕組みを確認しておく
専門業者の調査結果は、現地に行けない関係者にとって共通の判断材料になります。誰か一人の主観的な印象ではなく、客観的な報告書があれば、遠方からの話し合いもスムーズに進みやすくなります。
お住まいの地域によっては、都道府県別の相談窓口も参考になります。(高知県の空き家売却相談窓口など)
今後の具体的なアクション
「まずは現状を、専門家の目で確認してもらいたい」
傾斜地・崖地の実家について、遠方からでも今できることがあります。
- 土砂災害警戒区域等に該当するか、自治体に確認する
- 専門業者に、擁壁・造成の調査を依頼する
- 関係者の現在の状況(体調・意思確認の可否)を整理する
- 成年後見制度・家族信託について基本情報を調べておく
- 一人で抱え込まず、早めに専門家へ相談する
解体費用
解体費用を自腹で払う必要はありません。
一般的に木造住宅の解体には100〜200万円単位の費用がかかります。しかし、専門の買取業者に売却すれば、業者が「解体込み」の条件で買い取るため、実質的な持ち出しなしで土地の処分が可能です。
- 解体後に土地が売れ残るリスクを負うのは所有者(あなた)だから
- 業者は「解体コスト」を差し引いても利益が出る独自の販路を持っているため
- 行政指導による「強制代執行」になると、費用は2〜3倍に跳ね上がるリスクがあるため
- 解体だけを先に依頼すると、後に土地が売れなかった場合、費用が丸ごと損失として残る
- 「解体費用補助金」は申請から支給まで時間がかかり、工事条件も厳しい場合が多い
- 不法投棄など、悪質な解体業者によるトラブルにも注意。実績あるプロに任せるのが安全
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実家のことは、これからも節目ごとに向き合うことになります
一周忌が終わっても、実家の問題がなくなるわけではありません。多くの方が、次のような節目でまた実家のことを考えることになります。
法要以外にも、こんな機会に実家のことを思い出す方が多いようです
建物の状態や権利関係など、ここで触れきれなかった悩みについては、
あなたの状況から探すのページでも詳しく整理しています。
まとめ
「二つの制約があっても、専門家の力を借りれば進められる」
遠方居住と高齢化という二つの制約が重なると、対応がより難しく感じられますが、専門業者の調査とオンラインでの話し合いを組み合わせれば、着実に前進できます。今日結論を出す必要はありませんが、現状を整理し、専門家に相談しておくことが、次の判断につながる一歩になります。動くなら、今日が一番損の少ない日です。
実家の空き家、まずは無料相談から
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同じような状況の方が、どんな基準で相談先を選んでいるか。放置するリスクと合わせて整理したページです。

