私道の権利関係者の一人が高齢になり、「この先も同じように話し合いや手続きができるだろうか」と不安を感じ始めた方もいるのではないでしょうか。私道のみに接する実家は、建物の売却だけでなく、私道の権利者との調整にも判断能力が必要になります。
今回は、相続人の高齢化を意識し始めた今、私道のみの実家をどう見極め、どう判断していくかを、データを交えてお伝えします。
今すぐ結論を出す必要はありません。まずは、私道の権利関係と、関係者全員の状況を改めて確認するところから始めても十分です。
私道の権利者の高齢化に、気づくとき
「私道の話し合いも、この先ずっと同じようにできるとは限らない」
私道の通行・掘削承諾や補修の合意には、関係者の意思確認が欠かせません。私道の権利者の誰かが高齢になり、判断能力に不安が出てくると、「今のうちに必要な手続きを済ませておくべきでは」という懸念が生まれます。
これは誰にでも起こりうる自然な変化です。だからこそ、関係者全員が元気で意思表示ができる今のうちに、私道の権利関係を整理しておく意味があります。
例えば、私道の補修費用の分担について、これまで口約束だけで済ませてきた場合、権利者の判断能力が低下すると、その約束を確認する手段そのものが失われてしまいます。書面として残しておくことの重要性は、時間が経つほど増していきます。
他の人はどうしているか
「高齢化を意識して、私道の整理を進めた人がいるんだと分かった」
国土交通省の調査で、空き家の賃貸・売却を考えるうえでの課題をたずねた結果です(複数回答)。
| 賃貸・売却を考えるうえでの課題 | 割合 |
|---|---|
| 住宅の傷み | 約41% |
| 借り手・買い手の少なさ | 約38% |
※出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査」結果のポイント
「借り手・買い手の少なさ」を課題に挙げる所有者は約4割にのぼり、私道のみに接する物件のような条件面の制約がある場合、この課題がより強く表れやすいと考えられます。
似たケースとして、条件の難しい実家をどう手放したかをまとめた事例(【築40年・老朽化】倉敷市の空き家を売るには?売却相場・補助金・手放し方を解説)も、判断の参考になります。
こうした事例では、私道の権利者が元気なうちに、通行・掘削承諾についての書面を整えていたことが目立ちます。将来の判断能力の不安を見越して、早めに書面化しておくことが、後の安心につながっているようです。
私道のみを、高齢化を意識せず放置するリスク
「もし承諾が必要なときに、相手が対応できなかったらどうしよう」
私道の権利者が将来的に判断能力を欠く状態になった場合、通行・掘削承諾などの手続きに成年後見制度の利用が必要になるなど、対応が大きく複雑になる可能性があります。売却時に私道の承諾が得られないと、手続き自体が止まってしまうこともあります。
私道の権利関係は、当事者の高齢化とともに整理の難易度が上がっていきます。早めに書面や合意事項を整えておくことが、将来のトラブルを防ぐ鍵になります。
相続人の高齢化を意識した今、動くメリット・デメリット
「今のうちに、という気持ちはあるけど進め方が分からない」
相続人の高齢化を意識した今、動くメリット
- 関係者が意思表示できるうちに、私道の権利関係を書面化できる
- 成年後見制度が必要になる前に、必要な手続きを終えられる
- 早めに動けば、後から関係者が増えるリスクを避けやすい
- 私道の状況が整理されれば、売却時の説明もスムーズになる
相続人の高齢化を意識した今、動くデメリット
- 高齢化を理由に手続きを持ちかけること自体、デリケートに感じられる
- 私道の権利者が複数いる場合、全員の合意形成に時間がかかる
- 専門的な書面作成に、司法書士等への費用がかかる場合がある
- 関係者との温度差があると、一度では話がまとまらないこともある
今後の選択肢
「角を立てずに、進められる方法はあるはず」
私道のみの実家について、当事者として選べる道はいくつかあります。
- 司法書士に、私道の権利関係の現状を確認してもらう
- 通行・掘削承諾についての書面を、関係者の合意のもと整える
- 私道が絡む物件の取り扱いに慣れた不動産会社に相談する
- まずは現状のままでの査定額を確認し、判断材料にする
専門家からの説明という形であれば、高齢化に関する話題も受け入れられやすくなります。私道の権利者に直接切り出しにくい場合は、司法書士等に同席してもらうことも選択肢の一つです。
お住まいの地域によっては、都道府県別の相談窓口も参考になります。(千葉県の空き家売却相談窓口など)
今後の具体的なアクション
「まずは私道の状況を、落ち着いて整理したい」
私道のみの実家について、今からできることがあります。
- 登記簿や公図で、私道部分の所有・共有状況を確認する
- 私道の権利者が何人いるか、現在の状況を整理する
- 通行・掘削承諾に関する書面が残っているか確認する
- 司法書士に、必要な手続きの進め方を相談する
- 一人で抱え込まず、早めに専門家へ相談する
借地権・底地
地主との交渉をスキップして、そのまま売却可能です。
借地権(家だけ)や底地(土地だけ)は一般売却が非常に困難ですが、専門業者であれば地主との面倒な話し合いをすべて代行し、現状のまま買い取れます。
- 専門業者が地主(または借地人)と直接交渉し、権利を一つにまとめて価値を高められる
- 本来必要な「名義書換承諾料」や「建て替え承諾料」の調整もすべて業者が負担・解決
- 地主との人間関係が冷え切っている・連絡が取れない状態でも、現状のまま決済可能
- 第三者への売却には地主の承諾が必須。無断譲渡すると契約解除される
- 一般的な仲介会社は地主交渉を嫌がり、相談しても断られるケースが非常に多い
- 建物の老朽化で放置すると、地主から高額な「更地返還・解体費用」を迫られる恐れも
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実家のことは、これからも節目ごとに向き合うことになります
一周忌が終わっても、実家の問題がなくなるわけではありません。多くの方が、次のような節目でまた実家のことを考えることになります。
法要以外にも、こんな機会に実家のことを思い出す方が多いようです
建物の状態や権利関係など、ここで触れきれなかった悩みについては、
あなたの状況から探すのページでも詳しく整理しています。
まとめ
「今のうちに、が結局一番やさしい選択」
私道のみの実家は、関係者全員が元気なうちに権利関係を整理できるかどうかで、その後の選択肢の広さが大きく変わります。今日結論を出す必要はありませんが、現状を整理し、専門家に相談しておくことが、次の判断につながる一歩になります。動くなら、今日が一番損の少ない日です。
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同じような状況の方が、どんな基準で相談先を選んでいるか。放置するリスクと合わせて整理したページです。





