固定資産税の納付書を見て、「この実家、前面の道が私道だったな」と、後回しにしていた課題を思い出した方もいるのではないでしょうか。使っていない実家に毎年税金を払い続けているだけでも気が重いのに、私道という条件が加わると、売却への一歩がさらに踏み出しにくく感じられます。
今回は、固定資産税の納付時期という節目に、私道のみの実家をどう見極め、どう判断していくかを、データを交えてお伝えします。
私道の問題をすべて一気に解決する必要はありません。まずは、権利関係がどうなっているのかを確認するところから始めても十分です。
納付書を見て、私道の問題を思い出すとき
「毎年この金額を払いながら、私道のことは結局何も進めていない」
固定資産税の納付書は、多くの自治体で春から初夏にかけて届きます。使っていない実家の分まで毎年支払いを続けていると、この時期にあらためて「このままでいいのか」と考える方は少なくありません。私道のみに接する実家の場合、この「このまま」には、私道の権利関係という課題も含まれます。
私道が絡むと聞くと難しく感じるかもしれませんが、権利関係を確認するだけであれば、大きな決断を必要としません。納付書を見た今のタイミングで、まずは現状把握から始めてみましょう。
「私道だから面倒」と決めつけて後回しにするより、実際に登記簿や公図を確認してみると、思っていたよりシンプルな権利関係だったというケースも少なくありません。まずは事実を確認することが、不安を軽くする一歩になります。
他の人はどうしているか
「私道が絡む実家でも、ちゃんと手放せた人がいるんだと分かった」
国土交通省の調査で、空き家の賃貸・売却を考えるうえでの課題をたずねた結果です(複数回答)。
| 賃貸・売却を考えるうえでの課題 | 割合 |
|---|---|
| 住宅の傷み | 約41% |
| 借り手・買い手の少なさ | 約38% |
※出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査」結果のポイント
「借り手・買い手の少なさ」を課題に挙げる所有者は約4割にのぼり、私道のみに接する物件のような条件面の制約がある場合、この課題がより強く表れやすいと考えられます。
似たケースとして、条件の難しい実家をどう手放したかをまとめた事例(【築40年・老朽化】広島市の空き家を売るには?売却相場・補助金・手放し方を解説)も、判断の参考になります。
こうした事例では、納付書が届いたタイミングで、まず私道の権利関係だけ司法書士に確認していたことが目立ちます。毎年の納付書を、私道の状況を見直すきっかけとして活用しているのが特徴です。
私道のみをこのまま放置するリスク
「毎年税金だけ払い続けて、状況は何も変わっていない」
私道の権利関係が不明確なまま放置すると、いざ売却する段階になって、私道の共有者への通行・掘削の承諾取得に時間がかかることがあります。共有者が特定できない、連絡が取れないといった事態になれば、手続きはさらに長引きます。
放置期間が長引くほど、私道の共有者にも相続が発生し、権利関係はさらに複雑になっていきます。毎年の納付を続けながら、この問題を先送りにし続けることの負担は、着実に積み重なっていきます。
固定資産税の納付時期に売却を考えるメリット・デメリット
「毎年同じ悩みを繰り返す前に、そろそろ動きたい」
固定資産税の納付時期に売却を考えるメリット
- 納付書という分かりやすいきっかけで、毎年の負担を可視化できる
- 私道の権利関係を確認しておけば、売却時の交渉がスムーズになる
- 私道関連のトラブル解決に慣れた専門家に、早めに相談できる
- 権利者がまだ特定できるうちに、関係を確認できる
固定資産税の納付時期に売却を考えるデメリット
- 私道の共有者が多い場合、確認に時間がかかることがある
- 通常の不動産会社では取り扱いが難しく、相談先が限られる場合がある
- 権利関係の調査に、司法書士等への費用がかかることがある
- 共有者と連絡が取れない場合、対応がさらに長引くことがある
今後の選択肢
「私道が絡んでいても、進められる方法はあるはず」
私道のみに接する実家についても、選べる道はいくつかあります。
- 司法書士に、私道の権利関係を確認してもらう
- 私道が絡む物件の取り扱い実績がある不動産会社に相談する
- 私道の共有者へ、通行・掘削承諾についての意向を確認しておく
- まずは現状のままでの査定額を確認し、判断材料にする
私道の権利関係を早めに確認しておくことは、後の手続きをスムーズにする最も効果的な一歩です。権利関係さえ明確になれば、査定や売却の話は通常の物件と大きく変わらずに進められる場合も多くあります。
お住まいの地域によっては、都道府県別の相談窓口も参考になります。(島根県の空き家売却相談窓口など)
今後の具体的なアクション
「まずは私道の状態を、正確に把握したい」
私道のみの実家について、次の納付時期までにできることがあります。
- 登記簿や公図で、私道部分の所有・共有状況を確認する
- 私道の共有者が特定できるか、司法書士等に相談する
- 私道物件の取り扱い実績がある業者に査定を依頼する
- 毎年の固定資産税額と、維持コストを整理しておく
- 一人で抱え込まず、早めに専門家へ相談する
借地権・底地
地主との交渉をスキップして、そのまま売却可能です。
借地権(家だけ)や底地(土地だけ)は一般売却が非常に困難ですが、専門業者であれば地主との面倒な話し合いをすべて代行し、現状のまま買い取れます。
- 専門業者が地主(または借地人)と直接交渉し、権利を一つにまとめて価値を高められる
- 本来必要な「名義書換承諾料」や「建て替え承諾料」の調整もすべて業者が負担・解決
- 地主との人間関係が冷え切っている・連絡が取れない状態でも、現状のまま決済可能
- 第三者への売却には地主の承諾が必須。無断譲渡すると契約解除される
- 一般的な仲介会社は地主交渉を嫌がり、相談しても断られるケースが非常に多い
- 建物の老朽化で放置すると、地主から高額な「更地返還・解体費用」を迫られる恐れも
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実家のことは、これからも節目ごとに向き合うことになります
一周忌が終わっても、実家の問題がなくなるわけではありません。多くの方が、次のような節目でまた実家のことを考えることになります。
法要以外にも、こんな機会に実家のことを思い出す方が多いようです
建物の状態や権利関係など、ここで触れきれなかった悩みについては、
あなたの状況から探すのページでも詳しく整理しています。
まとめ
「権利関係さえ整理できれば、道は開ける」
私道のみに接する実家は、権利関係の確認が売却への第一歩になります。納付時期に結論を出す必要はありませんが、専門家に相談し、私道の状況を整理しておくことが、来年また同じ納付書を眺めるだけで終わらせないための一歩になります。動くなら、今日が一番損の少ない日です。
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同じような状況の方が、どんな基準で相談先を選んでいるか。放置するリスクと合わせて整理したページです。





