正月に帰省して実家の戸を開けた瞬間、木造の建物特有の冷たく湿った空気に、去年よりも傷みが進んでいるのを感じた方もいるのではないでしょうか。年に一度か二度しか訪れない実家だからこそ、久しぶりの訪問で気づく変化は大きなものです。
今回は、正月や法事帰省という節目に、老朽木造の実家をどう見極め、どう判断していくかを、データを交えてお伝えします。
今回の帰省ですべてを決める必要はありません。まずは、今感じた変化を、次の判断材料として記録しておくところから始めても十分です。
正月・法事帰省に、久しぶりの実家の傷みに気づくとき
「去年来たときより、確実に傷みが進んでいる気がする」
正月や法事帰省は、多くの方にとって年に数回しかない実家訪問の機会です。日常的に確認できないからこそ、久しぶりに訪れたときの変化に敏感になります。木造住宅は、空き家になってからの年数が長くなるほど劣化が進みやすく、この「久しぶりの気づき」が、実は貴重な判断材料になります。
正月の慌ただしさの中でも、実家の状態を意識的に確認しておくことは、次に会う親族との話し合いの材料にもなります。まずは、気づいたことをそのままにせず、記録しておきましょう。
他の人はどうしているか
「正月に実家の傷みに気づいて、動き出した人がいるんだと分かった」
国の調査では、所有者が抱える維持管理上の心配事として、次のような項目が挙げられています(複数回答)。
| 維持管理での心配事 | 割合 |
|---|---|
| 住宅の腐朽・破損の進行 | 43.1% |
| 樹木・雑草の繁茂 | 33.0% |
| 地震・台風・豪雪などによる損壊・倒壊 | 32.4% |
※出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査」結果のポイント
「住宅の腐朽・破損の進行」を心配事の第一に挙げる所有者は4割を超えており、あなたが正月に感じた変化は、多くの所有者が共通して抱えている不安でもあります。
似たケースとして、老朽化した木造住宅をどう手放したかをまとめた事例(【築40年・老朽化】四日市市の空き家を売るには?売却相場・補助金・手放し方を解説)も、判断の参考になります。
こうした事例では、正月に気づいた劣化を写真に残し、休み明けにすぐ業者へ査定を依頼していたことが目立ちます。帰省中に感じた気づきを、休み明けの具体的な行動につなげているのが特徴です。
老朽木造をこのまま放置するリスク
「また来年も同じことを思うだけで、終わってしまいそう」
年に一度の帰省で気づいた変化も、日常に戻ると忘れてしまいがちです。「また来年」を繰り返すうちに、修繕で対応できる範囲を超えてしまう可能性もあります。木造住宅の劣化は、一年単位で見ると小さく見えても、数年単位で振り返ると大きな差になっていることがあります。
また、老朽化が進み倒壊等のおそれがあると自治体に判断された場合、固定資産税の住宅用地特例が外れ、税負担が増える制度(いわゆる特定空家等の指定)の対象になることもあります。「また来年」を繰り返すたびに、選べる選択肢は少しずつ狭まっていきます。ただし、この制度の対象となる空き家はごく一部にとどまるため、税額への影響については税理士に確認することをおすすめします。
正月・法事帰省のタイミングで売却を考えるメリット・デメリット
「今年こそ、休み明けにちゃんと動きたい」
正月・法事帰省のタイミングで売却を考えるメリット
- 久しぶりの訪問だからこそ、変化に気づきやすい
- 親族が集まる機会に、実家の状態を自然に話題にできる
- 休み明けにすぐ動けば、気づきを行動につなげやすい
- 建物がまだ維持できる状態のうちに、判断材料を集められる
正月・法事帰省のタイミングで売却を考えるデメリット
- 正月や法事の場は、実務的な話をするには落ち着かない場合がある
- 短い滞在期間では、建物全体を確認しきれないことがある
- 休み明けの日常に戻ると、気づきを忘れてしまいやすい
- 思い出のある実家を手放す判断には、心理的な負担を伴うことがある
今後の選択肢
「今年の気づきを、来年に持ち越さずに済ませたい」
老朽木造の実家について、当事者として選べる道はいくつかあります。
- 最低限の修繕をしながら、そのまま保有を続ける
- 解体して更地にし、活用または売却を検討する
- 現状のまま(古家付き土地として)売却を検討する
- 結論を急がず、まずは現状のままでの査定額だけ確認しておく
帰省中に撮った写真は、査定を依頼する際の具体的な材料になります。休み明けにすぐ業者へ連絡できるよう、気になった箇所を今のうちに記録しておくことをおすすめします。
お住まいの地域によっては、都道府県別の相談窓口も参考になります。(愛媛県の空き家売却相談窓口など)
今後の具体的なアクション
「休み明けに、すぐ動けるよう準備しておきたい」
老朽木造の実家について、次の帰省までにできることがあります。
- 屋根・外壁・水回りなど、目に見える劣化状況を撮影して記録する
- 去年までの記憶と比較し、変化のスピードを確認する
- 現状のままでの売却査定額を確認し、解体費用と比較してみる
- 休み明けに連絡する業者を、あらかじめ調べておく
- 一人で抱え込まず、不動産会社や解体業者に早めに相談する
老朽化
ボロボロで倒壊寸前の家でも、現状のまま解体せず売却可能です。
事前の解体費用を自腹で払う必要はありません。現状のまま引き取ってくれる専門業者が存在します。
- 業者が買い取った後に一括解体するため、個人で動くより安く収まる
- 柱や基礎が無事なら、リフォームして再販するルートがある
- 更地にして「新築用の土地」として販売する土地需要が高い
- 自力で解体すると、高額な解体費用(数百万円)の持ち出しが発生する
- 解体して更地にすると、固定資産税の減税優遇がなくなり税金が最大6倍に
- 放置しすぎると、行政から強制解体され費用を全額一括請求されるリスクあり
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実家のことは、これからも節目ごとに向き合うことになります
一周忌が終わっても、実家の問題がなくなるわけではありません。多くの方が、次のような節目でまた実家のことを考えることになります。
法要以外にも、こんな機会に実家のことを思い出す方が多いようです
建物の状態や権利関係など、ここで触れきれなかった悩みについては、
あなたの状況から探すのページでも詳しく整理しています。
まとめ
「今年の気づきを、来年に持ち越さない」
老朽木造の実家は、毎年少しずつ傷みが進み、修繕や解体にかかる費用も年々増えていく傾向があります。正月や法事帰省で結論を出す必要はありませんが、今年気づいた変化を記録し、休み明けの行動につなげておくことが、来年また同じことを繰り返さないための一歩になります。動くなら、今日が一番損の少ない日です。
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同じような状況の方が、どんな基準で相談先を選んでいるか。放置するリスクと合わせて整理したページです。







