三回忌のために久しぶりに実家を訪れ、木造の建物が思っていた以上に傷んでいることに気づいた――遠方に住んでいると、こうした変化に気づく機会自体が限られます。今回は、三回忌という節目に、遠方から老朽木造の実家をどう見極め、どう判断していくかを、データを交えてお伝えします。
すぐに解体や売却を決める必要はありません。まずは、前回訪れたときからどれだけ状態が変わったかを、客観的に確認するところから始めても十分です。
三回忌に、久しぶりの実家の傷みに気づくとき
「前に来たときより、家がずいぶん傷んでいる気がする」
遠方に住んでいると、実家に足を運べるのは法要などの限られた機会だけ、という方も多いはずです。一周忌から三回忌までの間に建物の状態がどう変わったか、実際に見るまでは把握しづらいのが実情です。
木造住宅は空き家になると劣化が進みやすく、近くに住んでいれば気づけたはずの小さな変化も、遠方からでは見逃しがちです。三回忌で久しぶりに実家を訪れたときこそ、状態を正しく把握する数少ない機会だといえます。
一周忌のときは「まだ大丈夫そうだ」と感じていても、2年という歳月は木造住宅にとって決して短くありません。今回の訪問で感じた変化こそが、次の判断のための一番信頼できる情報になります。
他の人はどうしているか
「遠方から実家を持て余しているのは、自分だけじゃないんだ」
国土交通省の調査で、所有者の住まいから空き家までの距離をたずねた結果です。
| 所有者の住まいから空き家までの距離 | 割合 |
|---|---|
| 車・電車で1時間超 | 約23% |
| 車・電車で3時間超 | 約10% |
※出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査」結果のポイント
移動に1時間以上かかる所有者が4戸に1戸近くにのぼるという結果からも、遠方からの管理は決して珍しいケースではないことが分かります。物理的な距離は、管理の負担だけでなく、売却を判断するタイミングそのものにも影響します。
似たケースとして、遠方から老朽化した実家を手放したケースをまとめた事例(【築50年・遠方管理】久留米市の空き家を売るには?売却相場・補助金・手放し方を解説)も、判断の参考になります。
こうした事例では、帰省のタイミングに合わせて現地確認と査定依頼をまとめて済ませていたことが目立ちます。何度も足を運ぶことを前提にせず、限られた滞在時間の中でできることを絞り込んでいるのが特徴です。
老朽木造を、遠方から放置するリスク
「見ていない間に、どこまで傷んでいるのか分からないのが不安」
国の調査では、所有者が抱える維持管理上の心配事として、次のような項目が挙げられています(複数回答)。
- 住宅の腐朽・破損の進行:43.1%
- 地震・台風・豪雪などによる損壊・倒壊:32.4%
- 不審者の侵入や放火:29.4%
※出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査」結果のポイント
近くに住んでいれば早めに気づけるような傷みも、遠方からでは発見が遅れがちです。老朽化が進んでから駆けつけて対応しようとすると、修繕や解体の規模・費用がすでに大きくなっている場合もあります。台風や積雪などの災害時に様子を見に行けない点も、遠方オーナー特有のリスクです。
さらに、発見が遅れるほど、業者の手配や見積もり取得にも時間がかかりやすくなります。遠方から複数の業者とやり取りするには、その都度の日程調整が必要になり、対応が後手に回りやすいという悪循環も見過ごせません。
三回忌のタイミングで売却を考えるメリット・デメリット
「せっかく実家に来たのだから、この機会に見極めておきたい」
三回忌のタイミングで売却を考えるメリット
- 帰省時にまとめて現地確認と査定依頼を済ませられる
- 劣化がこれ以上進む前に、修繕・解体・売却の判断材料が得られる
- 次にいつ来られるか分からない中で、優先順位をはっきりさせられる
- 2年前との違いを実際に目にすることで、変化の速さを実感として把握できる
三回忌のタイミングで売却を考えるデメリット
- 限られた滞在時間の中では、建物全体を確認しきれないことがある
- 業者との打ち合わせが必要な場合、日程調整が難しい
- 次の帰省まで対応が持ち越しになると、判断がさらに先延ばしになりやすい
- 短い滞在では、査定と現地確認の両方をこなすのに慌ただしさが残る
今後の選択肢
「毎回帰省しなくても、進められる方法があるなら知りたい」
遠方に住みながらでも、老朽木造の実家について選べる道はいくつかあります。
- 空き家管理サービスに、定期的な見回りを依頼する
- 写真や動画で現況を共有してもらい、遠隔で状態を把握する
- 現状のままでの査定額と、修繕・解体費用の概算を比較する
- 次の帰省に合わせて、業者との現地立ち会いをまとめて予定する
特に効果的なのが、空き家管理サービスによる定期的な見回りと写真共有です。月に一度程度の頻度で状況を共有してもらえれば、次にいつ帰省すべきかの判断材料にもなり、「見に行けない不安」をある程度解消できます。
管理サービスの費用は、見回りの頻度や内容によって幅がありますが、月数千円程度から利用できるものもあります。修繕や解体にかかる費用と比べれば、早期発見によって防げる損失の方が大きくなるケースも少なくありません。
お住まいの地域によっては、都道府県別の相談窓口も参考になります。(石川県の空き家売却相談窓口など)
今後の具体的なアクション
「次にいつ来られるか分からないからこそ、今できることをやっておきたい」
老朽木造の実家について、遠方からでも次の帰省までにできることがあります。
- 今回の訪問で、劣化状況を写真に残しておく
- 空き家管理サービスの利用を検討する
- 現状のままでの売却査定額を確認し、判断材料にする
- 次に確認すべきポイント(雨漏り・傾きなど)をメモしておく
- 一人で抱え込まず、不動産会社に早めに相談する
実家のことは、これからも節目ごとに向き合うことになります
一周忌が終わっても、実家の問題がなくなるわけではありません。多くの方が、次のような節目でまた実家のことを考えることになります。
法要以外にも、こんな機会に実家のことを思い出す方が多いようです
建物の状態や権利関係など、ここで触れきれなかった悩みについては、
あなたの状況から探すのページでも詳しく整理しています。
まとめ
「見に行けない間も、できることはある」
遠方に住んでいると、老朽木造の実家の状態を見逃してしまいがちですが、管理サービスや写真での状況共有など、遠隔でもできることはあります。三回忌で結論を出す必要はありませんが、今回の訪問で状態を確認し、判断材料を残しておくことが、次の帰省までの安心につながります。動くなら、今日が一番損の少ない日です。
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