三回忌のために久しぶりに帰省し、実家の名義がまだ亡くなった親のままだったことを改めて思い出した――遠方に住んでいると、実家の手続きは後回しになりがちです。今回は、三回忌という節目に、遠方から相続未登記の実家をどう判断していくかを、データを交えてお伝えします。
「今すぐ名義を確定させなければ」と焦る必要はありません。まずは、現状どこまで手続きが進んでいるのかを確認するところから始めても十分です。
三回忌に、遠方から実家の名義を思い出すとき
「そういえば、名義変更まだだった。次いつ帰れるか分からないのに」
一周忌の頃は慌ただしく、名義変更などの手続きに手が回らなかったという方も多いはずです。三回忌でようやく落ち着いて実家について考えられるようになったとき、遠方に住んでいると「次にいつ現地に行けるか分からない」という物理的な制約が、判断をさらに難しくします。
近くに住むきょうだいがいれば代わりに動いてもらえることもありますが、そうでない場合は、手続きのたびに休みを取って帰省する必要があり、後回しにする理由が積み重なっていきます。
特に、一周忌から三回忌までの2年間は、日々の仕事や家庭のことに追われ、実家のことを考える時間そのものが取りにくい期間でもあります。三回忌という節目は、その2年間で止まっていた手続きに向き合う、自然なきっかけになります。
他の人はどうしているか
「うちだけが手続きを後回しにしているわけじゃないんだ」
国土交通省の調査で、相続などで取得した空き家の登記・名義変更の状況をたずねた結果です。
| 登記・名義変更の状況 | 割合 |
|---|---|
| 名義変更を行った | 61.8% |
| 新たに不動産登記を行った | 16.2% |
| いずれも行っていない | 13.5% |
| わからない(覚えていない) | 4.7% |
※出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査」結果のポイント
名義変更・登記をしなかった理由としては、「登記や名義変更しなくても困らなかった」が54.1%と最も多く、次いで「手続きがわずらわしかった」10.0%、「費用の負担感が大きかった」6.5%と続きます。遠方に住んでいることによる物理的な負担は、この「わずらわしさ」の一因になっていると考えられます。
似たケースとして、遠方から実家を手放したケースをまとめた事例(【築50年・遠方管理】岡山市の空き家を売るには?売却相場・補助金・手放し方を解説)も、判断の参考になります。
こうした事例に共通しているのは、手続きの多くを郵送やオンラインでまとめて進めていたという点です。現地に何度も足を運ぶ前提で考えると腰が重くなりがちですが、実際には現地に行かなくても進められる部分が多くあります。
相続未登記を、遠方から放置するリスク
「現地に行かないと分からないことが多すぎて、後回しにしてしまう」
相続未登記のままでは、原則として売却はできません。名義が変わっていない状態が続くと、次の相続が発生した際に相続人の数がさらに増え、遠方にいる自分一人では対応しきれない規模の手続きになっていく可能性があります。
加えて、遠方から実家を管理する場合、建物の劣化状況を現地で確認する機会自体が限られます。名義や手続きの問題と、建物の老朽化という問題が同時に進んでいても、遠方にいると気づくタイミングが遅れやすいという点も見落とせません。
2024年からは相続登記が義務化されており、期限内の申請が求められるようになりました。「知らなかった」では済まされない制度に変わりつつあるため、遠方にいるからと後回しにし続けることのリスクは以前より大きくなっています。ただし、義務化の詳細な適用条件や罰則の有無は個別の事情によって異なるため、正確なところは司法書士に確認することをおすすめします。
三回忌のタイミングで売却を考えるメリット・デメリット
「せっかく帰省するなら、まとめて手続きを進めたい」
三回忌のタイミングで売却を考えるメリット
- 帰省のタイミングに合わせて、法務局や司法書士への相談をまとめて済ませられる
- 遠方からでもオンラインや郵送で進められる手続きが多く、必ずしも毎回の帰省は必要ない
- 名義変更と査定を同時に進めれば、次の帰省までに判断材料がそろう
- 制度改正の情報を早めに得られれば、期限に追われずに準備できる
三回忌のタイミングで売却を考えるデメリット
- 建物の現地確認が必要な場面では、結局スケジュール調整が必要になる
- 遠方だと業者との対面での打ち合わせ回数が限られる
- 次にいつ帰省できるか分からないと、手続きの途中で滞ってしまうことがある
- 書類の不備があった場合、確認のやり取りに時間がかかりやすい
今後の選択肢
「現地に行けなくても、進められることから始めたい」
遠方に住みながらでも、相続未登記の実家について選べる道はいくつかあります。
- 司法書士に依頼し、名義変更の手続きを郵送・オンライン中心で進める
- 近くに住む親族や管理サービスに、現地確認だけを依頼する
- 名義変更と並行して、査定や相談だけ先に進めておく
- 次の帰省日程に合わせて、必要な現地対応をまとめて済ませる
特に有効なのが、名義変更と査定を並行して進めるという考え方です。名義変更が完全に終わるのを待ってから査定を依頼する必要はなく、同時に進めることで、次に帰省したときには判断材料がひととおり揃った状態になります。
お住まいの地域によっては、都道府県別の相談窓口も参考になります。(三重県の空き家売却相談窓口など)
今後の具体的なアクション
「次の帰省までに、何を準備しておけばいいか知りたい」
相続未登記の実家について、遠方からでも次の帰省までにできることがあります。
- 名義変更が済んでいるか、法務局や司法書士に郵送・オンラインで確認する
- 必要書類を事前にリストアップし、帰省時にまとめて対応できるようにする
- 現地確認を代行してもらえる先(親族・管理サービス)を検討する
- 査定だけでも先に依頼し、判断材料をそろえておく
- 一人で抱え込まず、司法書士や不動産会社に早めに相談する
相続登記未了
名義が故人のままでも、事前の自己負担なしでそのまま売却・手続きできます。
売却の「決済」と同時に相続登記を行うプロの手法(同時決済)を適用するため、売主様が事前に面倒な戸籍集めをしたり、高額な報酬を司法書士に先払いする必要はありません。
- 専門買取業者が専属の司法書士を速やかに手配し、売買契約の裏側で相続名義の書き換え手続きを並行して組み立てるため
- 登記に必要な「遺産分割協議書」の作成や親族間の書面やり取りも、業者のアドバイスのもとでスムーズに進められるため
- 本来先払いが必要な登録免許税や司法書士報酬などの諸費用を、売却代金(手元に入るお金)から相殺・精算できるため
- 2024年4月からの法律改正により、取得を知ってから3年以内に登記しないと10万円以下の過料(罰則)対象に
- 一般の不動産仲介会社は、相続登記が完全に完了して個人の名義になるまで売り出すことすらしてくれない
- 放置して次の相続が発生すると、いざ売ろうとした時に「見知らぬ親族のハンコ」が必要になり売却不能に陥る
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実家のことは、これからも節目ごとに向き合うことになります
一周忌が終わっても、実家の問題がなくなるわけではありません。多くの方が、次のような節目でまた実家のことを考えることになります。
法要以外にも、こんな機会に実家のことを思い出す方が多いようです
建物の状態や権利関係など、ここで触れきれなかった悩みについては、
あなたの状況から探すのページでも詳しく整理しています。
まとめ
「現地に行けない日々の中でも、少しずつ進めていける」
遠方に住んでいると、相続未登記の実家について「現地に行かないと何もできない」と感じてしまいがちですが、名義変更や査定の多くは郵送・オンラインでも進められます。三回忌で結論を出す必要はありませんが、次の帰省までにできることを整理しておくことが、手続きの負担を減らす一歩になります。動くなら、今日が一番損の少ない日です。
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