お盆の帰省で実家の売却を相談したところ、「境界が確定していないので、まずそこから」と言われて戸惑った方もいるのではないでしょうか。道路に十分接していない、いわゆる未接道の実家は、遠方に住んでいるとなおさら状況を把握しにくいものです。今回は、お盆という帰省のタイミングに、遠方から未接道の実家をどう見極め、どう判断していくかを、データを交えてお伝えします。
境界や接道の問題は、帰省中にすべて解決できるものではありません。まずは、何が確定していて何が未確定なのかを整理するところから始めても十分です。
お盆の帰省で、実家の境界の問題に気づくとき
「境界がはっきりしていないなんて、実家に住んでいた頃は考えたこともなかった」
未接道とは、建築基準法上の道路に十分に接していない土地のことで、隣地との境界が未確定なまま長年経過しているケースも少なくありません。実際に住んでいた頃は気にする機会がなくても、売却や相続の手続きを進める段階になって、初めて問題として浮かび上がってくることが多いテーマです。
遠方に住んでいると、境界確定のための測量や隣地所有者との立ち会いなど、現地でのやり取りが必要な場面で、スケジュール調整がより難しくなります。お盆で帰省できるタイミングは、こうした現地確認を進める貴重な機会になります。
例えば、隣地の所有者が代替わりしていた場合、境界の経緯を知る人がいなくなっていることもあります。時間が経つほど「昔からそうだった」という共通認識に頼れなくなり、確定作業そのものが難航しやすくなります。
他の人はどうしているか
「境界の問題を抱えているのは、うちだけじゃないんだ」
国土交通省の調査で、所有者の住まいから空き家までの距離をたずねた結果です。
| 所有者の住まいから空き家までの距離 | 割合 |
|---|---|
| 車・電車で1時間超 | 約23% |
| 車・電車で3時間超 | 約10% |
※出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査」結果のポイント
移動に1時間以上かかる所有者は4戸に1戸近くにのぼり、遠方からの管理は珍しいことではありません。未接道のような条件面の制約がある物件を、遠方から抱えている方も少なくないと考えられます。
似たケースとして、遠方から条件の難しい実家を手放したケースをまとめた事例(【築30年・遠方管理】甲府市の空き家を売るには?売却相場・補助金・手放し方を解説)も、判断の参考になります。
こうした事例では、境界確定の測量を、帰省のタイミングに合わせて土地家屋調査士に依頼していたことが目立ちます。現地に何度も足を運ばなくても、立ち会いが必要な部分だけ帰省時にまとめる工夫がされています。
未接道を、遠方から放置するリスク
「境界のことは、そのうち誰かが何とかしてくれるだろうと思っていた」
未接道の土地は、境界が未確定なままでは売却時の重要事項として説明義務が生じ、買い手が見つかりにくくなる要因になります。境界確定を先送りにするほど、隣地の所有者に相続が発生し、立ち会うべき相手が増えていく可能性もあります。
遠方にいると、隣地所有者との関係性の変化(転居や世代交代など)に気づきにくく、連絡先の把握そのものが後になるほど難しくなるという点も見落とされがちなリスクです。
さらに、境界確定の手続き自体、隣地所有者の協力が前提になります。相手の世代が変わり関係性が薄れてから依頼するより、今の所有者と面識があるうちに話をしておく方が、スムーズに進みやすいのが実情です。
お盆のタイミングで動き出すメリット・デメリット
「せっかく帰ってきたのだから、境界の話だけでも進めたい」
お盆のタイミングで動き出すメリット
- 帰省時に、隣地所有者との立ち会いをまとめて進められる
- 土地家屋調査士への相談を、現地確認と合わせて依頼しやすい
- 境界が明確になれば、買い手への説明がしやすくなる
- 隣地所有者がまだ特定できるうちに、関係を確認できる
お盆のタイミングで動き出すデメリット
- 短い帰省期間では、測量そのものが完了しない場合がある
- 隣地所有者の都合が合わなければ、立ち会いの日程調整が難航する
- 次にいつ帰省できるか分からないと、対応が長引きやすい
- 境界確定には数週間〜数ヶ月かかる場合もある
今後の選択肢
「遠方からでも、少しずつ進められる方法を知りたい」
遠方に住みながらでも、未接道の実家について選べる道はいくつかあります。
- 土地家屋調査士に相談し、境界確定の見通しを確認する
- 帰省時に、隣地所有者への挨拶・立ち会い調整を行う
- 未接道物件の取り扱い実績がある不動産会社に相談する
- まずは現状のままでの査定額を確認し、判断材料にする
お住まいの地域によっては、都道府県別の相談窓口も参考になります。(埼玉県の空き家売却相談窓口など)
今後の具体的なアクション
「次の帰省までに、何を準備しておけばいいか知りたい」
未接道の実家について、遠方からでも次の帰省までにできることがあります。
- 登記簿・公図を確認し、境界の確定状況を把握する
- 土地家屋調査士に、電話・オンラインで初期相談をしておく
- 隣地所有者の連絡先を、分かる範囲で整理しておく
- 未接道物件の査定に対応できる業者を調べておく
- 一人で抱え込まず、早めに専門家へ相談する
境界未確定
境界が未確定のままでも売却できる方法はあります。
通常の仲介では測量(確定測量)を求められますが、専門業者への「現状買取」であれば、測量なしでそのまま売却・早期現金化が可能です。
- 訳あり物件の専門買取業者なら、境界未確定のリスクを織り込んで丸ごと買い取れる
- 特約(公簿売買・境界非明示)を結ぶことで、売却後のトラブルや責任を免除できる
- 隣人との関係が悪く話し合いができない状態でも、第三者(業者)がそのまま引き取る
- 無理に自分で隣人と交渉すると、こじれて絶縁状態になる恐れがある
- 一般的な不動産仲介では、売却直前で「測量不調」となり破談になるケースが多い
- 売買契約時に「境界非明示」の特約を入れないと、後から損害賠償を請求されるリスクが残る
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実家のことは、これからも節目ごとに向き合うことになります
一周忌が終わっても、実家の問題がなくなるわけではありません。多くの方が、次のような節目でまた実家のことを考えることになります。
法要以外にも、こんな機会に実家のことを思い出す方が多いようです
建物の状態や権利関係など、ここで触れきれなかった悩みについては、
あなたの状況から探すのページでも詳しく整理しています。
まとめ
「見えていなかった境界も、確認すれば整理できる」
未接道の実家は、境界が未確定のまま放置するほど、隣地所有者との調整が難しくなっていきます。お盆で結論を出す必要はありませんが、今回の帰省でできることを整理しておくことが、次の判断につながる一歩になります。動くなら、今日が一番損の少ない日です。
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同じような状況の方が、どんな基準で相談先を選んでいるか。放置するリスクと合わせて整理したページです。





