「相続登記が義務化された」というニュースがきっかけで、共有名義の実家についてきょうだいで話をしたものの、「早く名義変更すべきだ」「まだ大丈夫だろう」と意見が分かれてしまった方もいるのではないでしょうか。共有名義の名義変更には共有者全員の関与が必要なため、この温度差がそのまま手続きの停滞につながります。
今回は、相続登記の義務化という節目に、共有名義の実家についてきょうだいでどう話し合い、どう判断していくかを、データを交えてお伝えします。
制度への理解度の違いを、その場で無理に埋める必要はありません。まずは、義務化の内容を正確に共有するところから始めても十分です。
義務化をめぐって、きょうだいの温度差に気づくとき
「私は焦っているのに、きょうだいはそこまで気にしていないみたい」
2024年4月から相続登記が義務化され、不動産の取得を知った日から一定期間内に登記申請をすることが求められるようになりました。このニュースへの反応は、きょうだいの間でも大きく異なることがあります。制度に敏感な人ほど焦りを感じ、そうでない人は「そのうち何とかなる」と受け止めがちです。
この反応の違いは、情報量や関心の差から生まれていることが多く、どちらかが間違っているわけではありません。まずは、制度の内容を正確に共有し、同じ土台に立つことが話し合いの出発点になります。
他の人はどうしているか
「義務化をめぐって温度差があるのは、うちだけじゃないんだと分かった」
国土交通省の調査で、相続などで取得した空き家の登記・名義変更の状況をたずねた結果です。
| 登記・名義変更の状況 | 割合 |
|---|---|
| 名義変更を行った | 61.8% |
| 新たに不動産登記を行った | 16.2% |
| いずれも行っていない | 13.5% |
| わからない(覚えていない) | 4.7% |
※出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査」結果のポイント
名義変更・登記のいずれも行っていない世帯は13.5%にのぼり、共有名義できょうだいの意見がまとまらないまま放置されているケースは、決して珍しくないと考えられます。
似たケースとして、共有名義の実家をどう手放したかをまとめた事例(【築40年・二次相続】徳島市の空き家を売るには?売却相場・補助金・手放し方を解説)も、判断の参考になります。
こうした事例では、義務化に敏感なきょうだいが、司法書士への相談結果をそのまま共有することで、慎重派のきょうだいの理解を得ていたことが目立ちます。自分の言葉で説得するより、専門家の説明を介した方が、受け入れられやすいようです。
共有名義を、意見がまとまらないまま放置するリスク
「このまま話がまとまらなかったら、過料の対象になるんじゃないか」
2024年4月の法律改正により、不動産の取得を知ってから3年以内に相続登記をしないと、正当な理由がない場合に10万円以下の過料の対象となる可能性があります。共有名義の場合、共有者全員が足並みを揃えなければ手続きが進まないため、話し合いの停滞がそのまま期限への遅れにつながります。
「誰かが動くだろう」という曖昧な状態が、最も期限に間に合わなくなりやすいパターンです。義務化の詳細な適用条件や罰則の有無は個別の事情によって異なるため、正確なところは司法書士に確認することをおすすめします。
義務化をめぐって話し合うメリット・デメリット
「義務化があるからこそ、うやむやにしたくない」
義務化をめぐって話し合うメリット
- 制度という分かりやすいきっかけで、話し合いを始めやすい
- 司法書士への確認結果を共有すれば、温度差をすり合わせやすい
- 過料の対象になる前に対応できれば、全員が安心できる
- 期限を意識することで、先延ばしにしがちな話し合いに区切りがつく
義務化をめぐって話し合うデメリット
- 制度への理解度の差が、そのまま温度差として残ることがある
- 焦りを感じる側が、急かしていると受け取られることがある
- 制度の詳細を誤解したまま話し合うと、認識のズレが生じやすい
- 名義変更後、次にどうするかで改めて意見が分かれることもある
今後の選択肢
「まず何を確認すればいいのか、順番を知りたい」
共有名義の実家について、きょうだいの意見が割れている場合でも、選べる道はいくつかあります。
- 司法書士に、義務化の内容と自分たちのケースの期限を確認してもらう
- 結論を急がず、まずは専門家からの説明だけを共有する
- 名義変更の手続きだけ先に進め、その後の方針は改めて話し合う
- 第三者(不動産会社等)に間に入ってもらい、客観的な情報を共有する
「名義変更」と「その後どうするか」を分けて考えることが、意見の対立を和らげる鍵です。義務化への対応と、売却するかどうかの判断は、別々に進めることができます。
お住まいの地域によっては、都道府県別の相談窓口も参考になります。(青森県の空き家売却相談窓口など)
今後の具体的なアクション
「まずは事実を揃えてから、もう一度話したい」
共有名義の実家について、次に集まるまでにできることがあります。
- 司法書士に、義務化の内容と期限を確認しておく
- 共有者が何人いるか、現在の持ち分割合を整理しておく
- 必要書類(戸籍謄本等)の有無を確認する
- 意見が割れている点と、一致している点を整理しておく
- 一人で抱え込まず、司法書士など専門家に相談する
共有名義
共有名義でも売却できるケースは多くあります。
名義や共有者の状況によって進め方が変わるため、最初に権利関係を確認することが大切です。
- 自分の「持分のみ」であれば単独でも売却可能
- 専門の買取業者を利用してトラブルを避けて売却
- 状況に応じた柔軟で特殊な売却の選択肢がある
- 共有者全員の同意が必要なケースが多い
- 放置すると相続人が増え、話がまとまりにくくなる
- 勝手に売却することはできない
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実家のことは、これからも節目ごとに向き合うことになります
一周忌が終わっても、実家の問題がなくなるわけではありません。多くの方が、次のような節目でまた実家のことを考えることになります。
法要以外にも、こんな機会に実家のことを思い出す方が多いようです
建物の状態や権利関係など、ここで触れきれなかった悩みについては、
あなたの状況から探すのページでも詳しく整理しています。
まとめ
「意見が違っても、事実は一つ。そこから話せばいい」
共有名義の実家をめぐるきょうだいの意見の違いは、制度への理解度の差から生まれていることが少なくありません。今日結論を出す必要はありませんが、司法書士への確認結果など客観的な情報を揃えておくことが、次に話し合うときの助けになります。動くなら、今日が一番損の少ない日です。
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同じような状況の方が、どんな基準で相談先を選んでいるか。放置するリスクと合わせて整理したページです。







