近隣の方から「敷地の雨水がうちの土地に流れ込んでいる」「境界がはっきりしないまま雑草が伸びてきて困る」といった苦情を受けた方もいるのではないでしょうか。未接道の実家は、境界が未確定なまま放置されていることが多く、こうした苦情のきっかけになりやすい特徴があります。
今回は、近隣からの苦情を受けた今、未接道の実家をどう見極め、どう判断していくかを、データを交えてお伝えします。
苦情を受けて、境界のことまで一気に解決しようとする必要はありません。まずは、指摘された内容と、境界の現状を確認するところから始めても十分です。
近隣からの苦情で、境界の問題が表面化するとき
「境界がはっきりしていないことが、まさかトラブルの原因になるとは」
未接道とは、建築基準法上の道路に十分に接していない土地のことで、境界が正式に確定していないケースも珍しくありません。境界が曖昧なままだと、排水の流れや雑草の管理範囲についての認識が近隣とずれやすく、それが苦情という形で表面化することがあります。
苦情を受けたことで、これまで先送りにしてきた境界の問題に、向き合わざるを得なくなった、という側面もあります。まずは落ち着いて、指摘された内容を確認しましょう。
排水や雑草の苦情は、多くの場合すぐに解決できる応急対応と、根本的な解決が必要な境界の問題が混在しています。まずは応急対応で相手の不満を落ち着かせ、そのうえで境界という本質的な課題に取り組む、という順序で進めるのが現実的です。
他の人はどうしているか
「境界のことで苦情を受けたのは、うちだけじゃないんだ」
国土交通省の調査で、空き家の賃貸・売却を考えるうえでの課題をたずねた結果です(複数回答)。
| 賃貸・売却を考えるうえでの課題 | 割合 |
|---|---|
| 住宅の傷み | 約41% |
| 借り手・買い手の少なさ | 約38% |
※出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査」結果のポイント
「借り手・買い手の少なさ」を課題に挙げる所有者は約4割にのぼり、未接道のような条件面の制約がある物件では、近隣トラブルが売却の難しさにもつながりやすいと考えられます。
似たケースとして、条件の難しい実家をどう手放したかをまとめた事例(【築40年・老朽化】大垣市の空き家を売るには?売却相場・補助金・手放し方を解説)も、判断の参考になります。
こうした事例では、苦情を受けたことをきっかけに、土地家屋調査士に境界確定を依頼し、近隣との関係も同時に整理していたことが目立ちます。苦情への対応と境界確定を同時に進めることで、結果的に売却の準備も進んでいるようです。
未接道を、苦情を受けたまま放置するリスク
「対応しないままだと、関係がさらに悪くなりそうで不安」
境界や排水に関する苦情を放置すると、近隣との関係が悪化するだけでなく、法的なトラブル(越境物の撤去請求など)に発展する可能性もあります。境界が未確定のまま関係がこじれると、後から境界確定を進めようとしても、協力が得られにくくなることがあります。
苦情への対応の遅れは、そのまま境界確定の難しさに直結します。関係が良好なうちに対応する方が、あらゆる面で負担が少なく済みます。
苦情を受けた今、対応を考えるメリット・デメリット
「苦情への対応と、境界の問題を一緒に片付けたい」
苦情を受けた今、対応を考えるメリット
- 苦情への対応をきっかけに、境界確定を同時に進めやすい
- 近隣との関係が良好なうちに、測量への協力を得やすい
- 排水の応急対応(側溝の清掃等)は、比較的早く着手できる
- 境界が確定すれば、その後の売却手続きもスムーズになる
苦情を受けた今、対応を考えるデメリット
- 境界確定には時間がかかり、その場では完結しない
- 関係がすでにこじれている場合、話し合いが難航することがある
- 測量費用など、想定していなかった費用が発生する場合がある
- 排水設備の改修が必要になると、追加の費用がかかることがある
今後の選択肢
「境界の問題も含めて、進められる方法を知りたい」
苦情を受けた未接道の実家についても、選べる道はいくつかあります。
- 近隣へお詫びし、排水・雑草の応急対応をすぐに行う
- 土地家屋調査士に、境界確定の相談をする
- 未接道物件の取り扱い実績がある不動産会社に相談する
- まずは現状のままでの査定額を確認し、判断材料にする
苦情への応急対応と境界確定の相談を同時に進めることが、最も効率のよい一歩です。関係修復と将来の売却準備を、一つの行動でまとめて進められます。
お住まいの地域によっては、都道府県別の相談窓口も参考になります。(愛知県の空き家売却相談窓口など)
今後の具体的なアクション
「まずは近隣への対応と、境界の確認を進めたい」
未接道の実家について、苦情を受けた今できることがあります。
- 近隣へお詫びし、排水・雑草の状況を確認する
- 側溝の清掃など、応急対応を業者に依頼する
- 土地家屋調査士に、境界確定の初期相談をする
- 未接道物件の査定に対応できる業者を調べておく
- 一人で抱え込まず、早めに専門家へ相談する
境界未確定
境界が未確定のままでも売却できる方法はあります。
通常の仲介では測量(確定測量)を求められますが、専門業者への「現状買取」であれば、測量なしでそのまま売却・早期現金化が可能です。
- 訳あり物件の専門買取業者なら、境界未確定のリスクを織り込んで丸ごと買い取れる
- 特約(公簿売買・境界非明示)を結ぶことで、売却後のトラブルや責任を免除できる
- 隣人との関係が悪く話し合いができない状態でも、第三者(業者)がそのまま引き取る
- 無理に自分で隣人と交渉すると、こじれて絶縁状態になる恐れがある
- 一般的な不動産仲介では、売却直前で「測量不調」となり破談になるケースが多い
- 売買契約時に「境界非明示」の特約を入れないと、後から損害賠償を請求されるリスクが残る
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実家のことは、これからも節目ごとに向き合うことになります
一周忌が終わっても、実家の問題がなくなるわけではありません。多くの方が、次のような節目でまた実家のことを考えることになります。
法要以外にも、こんな機会に実家のことを思い出す方が多いようです
建物の状態や権利関係など、ここで触れきれなかった悩みについては、
あなたの状況から探すのページでも詳しく整理しています。
まとめ
「苦情がきっかけでも、前に進む一歩にできる」
未接道の実家への苦情は、境界の問題という長年の懸案に向き合うきっかけにもなります。今日すべてを解決する必要はありませんが、まず誠実に対応し、境界確定への一歩を踏み出しておくことが、近隣との関係と将来の売却、両方につながる一歩になります。動くなら、今日が一番損の少ない日です。
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同じような状況の方が、どんな基準で相談先を選んでいるか。放置するリスクと合わせて整理したページです。








